名刺の価値を上げるロゴ作成という手法


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社会人として、持っていることが当たり前になっているアイテムのひとつに名刺があります。

特に、営業などで社外の人と接する機会が多い人の中には、今までに数えきれないくらいの数の名刺を渡してきたという人も多いことでしょう。

しかし、毎日のように名刺を見ているという人でも、名刺を使用する意味を深く考えたことがある人は少ないかもしれません。

名刺を使用する意味を理解し、ロゴの働きを理解しておくことが大切です。

不要説も多くなりつつある名刺というアイテム

ネットワーク技術の発達にともない、今までは紙媒体が当たり前だった物質に変化が見られています。キャッシュレスという支払方法や電子図書の出現も、当然の成り行きかもしれません。これからの時代には名刺はもう不要だという意見にも、ある程度の根拠があることには納得できます。

紙媒体は管理が大変なため、なくしてしまいたいという人もいるのでしょう。しかし、名刺を使用することで得られるメリットがあるのも事実。本当に必要ないかは、デメリットだけでなく、メリットもよく考慮して決めたほうが良さそうです。

名刺の発祥と歴史

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名刺の発祥は、紀元前2世紀ごろの中国だといわれています。もちろん、当時は現在のような製紙法の技術はまだ存在していなかったので、名刺の素材に紙は使用されていませんでした。刺と呼ばれる木や竹の札を使用していたことが、名刺という名称の由来ともいわれています。

それ以降も中国では名刺が頻繁に使用され、7世紀から10世紀ごろには、訪問先が不在だったときに自分が来たことを伝えるための道具として使われていました。ヨーロッパでは、16世紀のドイツで名刺が使用され始めたといわれています。

当初は中国と同じように不在通知として使われていましたが、18世紀ごろから名刺の役割が変わってきます。当時に流行った社交界で名刺は大活躍し、デザイン性に優れたものが好んで使用されました。19世紀にはいると、写真付きの名刺も登場します。

日本で名刺が使われ始めたのは、19世紀の江戸時代です。最初は不在通知として使用され、和紙に墨で自分の名前を書いていました。現在のように印刷された名刺が使われ始めたのは江戸末期になってからで、来日した外国人との交流を深めることが目的だったともいわれています。

現代における名刺の役割

現代の日本では、取引先などの仕事関係で初めて会う人と名刺交換するのが一般的です。日本は他国よりも名刺交換する頻度が圧倒的に多く、全世界の名刺のうち、70パーセントから80パーセントが日本で消費されているといわれています。

訪問者から先に渡したり両手で受け渡したりするという細かなルールが作られたのも、そうした背景があることが理由のひとつなのかもしれません。大事な個人情報が記載されているために管理も慎重にならざるを得ない名刺ですが、大事な情報が記載されているからこそ必要だと考えることもできます。

90パーセント近くの情報は視覚から得られているというデータもあるので、小さな1枚の紙に記載された必要最低限の情報は記憶に残りやすいのかもしれません。顔と名前を覚えてもらいやすくなるので、次のステップに続くことも大いに考えられます。

ときには、大きな成約につながることもあるでしょう。名刺は、ビジネスマンとして持っていて損はないアイテムともいえます。

名刺に記載すべき情報

名刺というからには氏名を記載することはもちろんですが、ふりがなも忘れてはいけません。何通りも読み方がある氏名にふりがながなければ、渡した相手に余計なストレスを与えることにもなるでしょう。また、会社名の他には部署などの肩書も必要です。

どれくらいのポジションについている人か分かることで、話す内容も選びやすくなるかもしれません。さらに、会社の住所や電話番号、FAX番号やE-mailアドレス、ホームページのURLも記載しておくとよいでしょう。

インパクトのあるデザインにすると覚えてもらいやすいと思うかもしれませんが、あまり派手にするのはオススメできません。見るだけで目が痛くなり、二度と見てもらえないことも考えられます。大事な情報の見やすさを保ちながらインパクトを与えるには、ロゴマークの活用を考えた方がよいでしょう。

ロゴの持つ意味

ロゴには、想像以上に人の注意を引きつけるパワーがあります。人間の目には文字よりも絵のほうが注目しやすいという性質があるので、当然といえば当然かもしれません。また、記憶に残りやすいという大きなメリットも存在します。

このような性質を、取引の入口にあたる名刺に取り入れない手はないでしょう。短文メッセージのSNSと聞くと青い鳥を思い浮かべたり、スマホを開発している大企業と聞くと欠けたリンゴを思い浮かべる人は多いはずです。

作成前の明確なイメージが大事なロゴ

大きなインパクトを与えることが期待できるロゴですが、何でも闇雲に作成していいというものではありません。その会社の事業内容や企業理念に沿ったもので、誰でもすぐにその会社をイメージできるものがよいでしょう。

また、ターゲット層を十分に意識することも必要です。名刺を受け取った人が親しみを感じるデザインであれば、それ以降に良好な関係が築かれることも大いに期待できます。

ロゴ作成時の注意点

会社の分身ともいえるロゴは、さまざまな場所で使用されることを想定して考える必要があります。あまり複雑なデザインにすると、小さくなったときには見づらく、何を表しているのか分からなくなるかもしれません。シンプルさを重視して、オリジナリティーに溢れたものがよいでしょう。

多くの人の記憶に定着される可能性が格段に高くなります。また、インパクトを強くするためにカラフルな色彩をロゴに取り入れたいと考える人もいるかもしれませんが、あまりオススメできる方法ではありません。状況によってはモノクロでしか表現できないこともあるので、いつも見ているデザインとまったく違うロゴを目の当たりにするという結果にもなりかねないからです。

色合いよりも形に特徴のあるデザインを意識することが、記憶に残りやすいロゴ作成をする際に、大事なポイントになります。

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ロゴは名刺の強力なパートナー

ぺーバーレス化が進む中、名刺という存在に疑問を持つ人が増えているのは事実。しかし、これまでに名刺が果たしてきた役割や長い歴史を考えると、そう簡単にはなくならないとも考えられます。そもそも発祥当時は紙ではなかったので、今後も形を変えて残っていくかもしれません。

一瞬で相手に個人情報を伝えられる優秀な営業ツールである名刺は、これからもロゴという強力なパートナーとともに活躍できる余地は十分にあるでしょう。